無の境地
先週のとある一日の話ですが、その日は夕方から会議が始まって終わったのが夜遅くになった。まあ、よくある光景だと思う。
くそ、会議長すぎるだろと心の中で文句を言っているのもつかの間、
22時くらいだろうか、会議が終わった後に仕事を片付けそろそろ帰ろうかと思って席を立ったところ、たまたま私より少し年下の女性社員と一緒のタイミングで帰ることになり、家の方向が同じなので自然と駅まで一緒になった。
職場はかなり都心の方なので、そんな時間でも駅では帰る人でいっぱいだ。むしろ第3次帰宅ラッシュの時間に近い。それでも最近は働き方改革の影響か、この時間になると人の数はやや減少した気はする。
そして、そんな時間のそんな場所に5〜6歳小さな女の子が一人でいたのである。学校帰りとも思えないし親の姿も見えないし、おそらく塾とかかなとかも思ったのだが、やはり少々危うさを感じてしまう。
その時女性社員もやはり同じ事を考えたようである。私になんか助けが必要か聞くように促して来た。
ちなみに、アラサー男が小さな女の子に話しかけると通報される世の中である。私一人だけでは何か行動することはなかった(自信を持って言えるw)
しかし、今は男だけではない、周りから見ても怪しさなどない。なので促されたこともあって柄にもなく話しかけてみた。
「これから家に帰るの?どこに帰るの?」
「今何歳?」
「お母さんはどうしたの?」
結果、完全無視されてしまった。なんて無口な野郎だ、
心ここにあらずのレベルだった。あの歳で私の心を挫くとは、、
まるでオレはそこに存在していないかのような振る舞いである。
例えるなれば、”無の境地”といったところだろうか。あの年齢でその境地に達するとはなかなかなもの。そんな呑気にしている場合ではないものの、、
とりあえずどうしようもないので、「うむ」と頷いて女性社員の元に戻った。なんの問題解決にもなっていなくとも、「堂々としていれば大丈夫理論」を信じて、、
まぁ誰とも話したくない気分だったか、人見知りだったんだろう、本当に困っていればそれでも助けを求めてくるはずなので、、つまり大丈夫だろう!と自己解決したのだ。
しかし私のそんな情けのない姿に苛立ったのかもしれない、続いて女子社員がその娘に話しかけ他のだ。
その一言目「知らないおじちゃんと話したらいけないもんね。」と話しかけた。
なんて失礼な、と思った矢先
その娘は満面の笑みで、
「うん!!」と答えやがった。なんて返事のいい野郎だ、
私は「そこ話すんかーい!」とめげずにつっこんでみたが、また無視された。
今度はその女性社員も無の境地に達した。