誤解を招く英語メール
さて、このブログも当初は英語の話をよくしていた、、ような気がする。最近ではその頻度がめっきり減ってしまっている。
私のグチを読まされるだけのブログと化さないよう、本日は久しぶりに英語の話題としたい。
久しぶりの話題は、「誤解を招く表現」について。
メールで海外とやりとりをしていると、やりとりができる数が限られてくる。よって、ある程度限られた情報から、相手の状況や要求について行間を読むような作業になる。純粋な間違えであれば訂正でことなきを得ることがあるが、間違って伝わると結構厄介。
そこで今回は、日本人がやってしまいがちな誤解を招きやすい表現について文献及び実体験から3つ抽出してお伝えしたい。
「日本人が」と限定したが、日本人が英語のメールを書くときは、どうやったって日本語→英語の変換作業である。英語圏では一般的ではなく、日本人だけがよく使う表現はたくさんあるはずであり、誤解を招く結果に陥りやすい表現にも傾向があるはずだ。
個人的に、色々なところで問題を発生させている表現を3つ抽出してみた。
- 検討する
- 最善を尽くす
- 少しは〜ある
それぞれについて詳しくみていきたい。
I’ll consider it(検討する)
まず一つ目は「検討する」と言う言葉。検討するは検討しないでも述べたが、これは相手が日本人かそうでないかで受け取られ方が違う可能性が高い。
直訳するとこうなる。この表現は日本人が特別によく使う表現だと確信している。日本人が言う「検討する」と言う言葉は情報量があまり多くない。
日本人同士でのやり取りにおいて、「検討する」と言う言葉は下記のような使われ方をすると思っている。
- 本当に検討するとき
- やんわりと断るとき
- 常識的に断れないことを先延ばしにするとき
日本人にとっての検討するは、万能の常套句であり枕詞である。受け取り手もその言葉に慣れてしまっているので、「検討する」が「検討しない」であってもミスコミュニケーションが発生することはあまりない。至って日本人的な断り方とも言えるかもしれない。
ただし、相手が外国人だった場合、その限りではない。「検討する」は本当に「検討する」の意味であって、よく考えると言う意味だ。むしろ「よく考えてすぐに回答する」と言う意味に取られることすらある。本当に検討するのであればそう言えばいいのだが、断る場合はそうした方がお互い時間が無駄にならず却って親切だ。
まずは日本語で内容を考えるのは良いのだが、本来はどのような意味で使うかまで落とし込んで考える必要があると言うことだ。これはもちろん「検討する」と言う言葉に限った話ではないが、少なくとも「Best Regards,」のように締めの言葉で発してはならない
I’ll do my best.
二つ目は最善を尽くす。
これは英語だけではなく、日本語でも注意が必要な表現と言っていい。相手にこの表現を使われた場合、どちらかと言えば嫌な予感がすることの方が多い。
「納期に間に合わせるよう、最善を尽くす」と日本語で言われるとかなり嫌な予感がする。結果に責任は持たないと言っているように感じられるし、仮に間に合わなくても不可抗力とでもいいたそうだ。
「頑張ったけど、ダメでした」状態になる可能性は高い。
ちなみに私も、まさにその意味でよく使う。コミットした覚えはないと言うことだ。
メールに残ったとしても後から追及されることがないマジックワードだ。ただし、本当に最善を尽くさない状況であれば、使うべき表現ではない。仮に手抜きが目に見えると普通に大きな墓穴を掘る結果となる。
さて、もう説明は十分だと思う。この言葉に関しては、おそらく外国人も我々と同じような感覚でこの言葉を受け取る。本当に最善を尽くす時には言ってしまいがちな言葉であるが、仮にそうであったとて、本来の意味でも使わない方がいい可能性が高い。
「自信のなさ」として受け取られることが多いからだ。つまり、日本人が受け取る意味よりもさらにネガティブな言葉として受け取られる可能性がある。だからもう、使用しない方がいい表現だと思っている。
「you can count on me.」 とか「I’ll make it」とかにした方が良い。
There is little risk.
これは、私が最近やらかしたミスだ。この表現をあなたは何と訳すだろうか?
「リスクがちょっとだけある」と訳したあなた。あなたは既に私と同じミスを犯している。littleの意味についてもう少しだけ思い出してほしい。
単体で使われた場合は「ほとんどない」が正解だ。だから、上記の英語は「リスクはほとんどない」と言っているのと同じことである。リスクが多少なりともあるのに、「ほとんどない」と言ってしまうと大きな誤解につながる可能性があるので是非気をつけてほしい。
正しくは、There is “a” little risk.
fewとかlittleとかの表現を使用する場合は一旦立ち止まって、罠にかかってしまわないようにしたい。罠だと思っているのは私だけかもしれないが、”a”がついているかどうかで意味のニュアンスを直感的に受け取るのはネイティブレベルでない限りは不可能だ。
これは高校レベルの英語だし、仮に文法の問題として出されれば気づくが、メールのように分量が多くなってくるとスルーしてしまいがちだ。
いかがだっただろうか?結局日本人はネイティブのような感覚で英語のニュアンスを感じることができない。だから、このように誤解しやすいポイントを押さえておくことも重要だ。