奇跡を起こす @英検1級面接

私は英語の実力が大したことがないにも関わらず、英検1級を持っている。

ご存知(?)英検1級は、基本的にそれなりの人でなければ受かる試験ではない。よって私は、実態はさておき、周りから英語ができる人だとよく思われる。

初めての海外出張も、「君は何も心配していない」と上司に安心して迎え出されたり、英語の電話がかかってくると回されたりする。

苦労は表に出さず、とりあえず黙ってなされるがままにするタイプなので誤解は中々解けない。

最近周りから英語能力に疑問をもたれ始めている気がしてならないが、気づくのが遅すぎると思っている。ただ、それは気合で何とかしている。

英語能力が低かろうがコミュニケーションを取ることはできる(当たりを引くまで引けば良い参照)

「勉強しろや」というツッコミは確かにその通りだが、残念なことに私にはこれ以上英語を勉強するパッションがない。

もう少し会社で偉くなったら頑張るかもしれないが、大変残念なことに偉くなるために頑張ることは恐らくしない(仕事に苦悩するアラサー独身参照)

そもそもなぜ実力が大したことのない私が英検1級に受かったのか。本日はそちらが本題だ。特に2次試験に関して、つまり面接の部分のお話をしたい。

英検1級は、筆記試験と面接からなる。筆記試験が1次試験であり、受かった人のみ2次試験の面接に進むことができる。

筆記をパスした回に加えその後3回分は筆記が免除になる。つまり一度でも筆記に合格してしまいさいすれば、面接を受けるチャンスが計4回ある。

その4回中、一度でも受かれば晴れて英検1級ホルダーだ。英語力を (私にとっては実力以上に)証明する永久パスをゲットしたと言って過言ではない。

なお、全部落ちればまた筆記試験からとなる。

ちなみに私が最初に受けた英検1級の面接の点数に関して、100点満点中の30点だった。(合格点は60点)

その点数は、今現在の私の実力を表しているものと考えて相違ない。最初の面接官の評価は極めて妥当なものだった。最初の自己紹介以外は何も対応できなかった。

だがその4ヶ月後、私は面接に合格した。

特に猛勉強したわけではない。英語を勉強したことがある方はわかると思うが、その期間勉強したくらいでは、英語が話せない→話せる様になる程甘くない。

それは試験に受かることにフォーカスするのであれば、間違ったアプローチだ。ではどうしたか?

面接の時に必ず使用できると読んだ、言い回しを30個程度覚えて臨んだ。どう言うことか解説して行きたい。

そもそも英検1級の面接は、自己紹介の後に何かのテーマが与えられる。大体↓のようなものが5つほど与えられ、それから1つ選んで1分間スピーチする。そしてその質疑応答を行うというものだ。

  • お金持ちは貧しい人を援助すべきか
  • 日本の産業は物づくりに傾倒しすぎか
  • 宗教は必要なものと考えるか
  • 持続可能な社会は可能であるか
  • 国際化は文化の多様性を妨げているか

大体は抽象的で難しいテーマばかりだ。「普段から新聞なんかをよんで知見を広げるべきだ」とのアドバイスが面接対策の本にあったが、それは短期間では現実的ではない。

また、言われなくてもわかる。私はその類の正論を「情報量0アドバイス」と呼んでいる。

そんなことよりここで着目したいのは、テーマは何かしら議論を呼ぶものであり、イエスやノーで答えられるものではないということだ。

そう考えた場合、テーマが何かを知る前に、もっと言えば試験を受ける前からスピーチの冒頭を決めて試験に臨むことができる。

  • It is a highly controversial issue
  • (それは良く議論される問題だ)
  • Some people agree and others disagree.
  • (賛成の人も反対の人もいるだろう。)
  • It can’t be decided so simply. it is depend on the situation.
  • (それは簡単に断定できない、状況次第である。)

試験を見る前から既に答えの一部が用意できるのだ。

そして、汎用性があり誰も否定できないような解決策をとりあえず持っておく。

  • xxx is the factor in causing the problem.
  • (xxxは問題を引き起こす原因だ。)
  • Education is one of the solution. Regardless of the religion or culture, we need to know what is the greatest happiness of the greatest number. 
  • (教育が一つの解決策だ。宗教や文化ではなく、最大多数の最大幸福を考える必要がある。)
  • There are opinions on the pros and cons of this sokution
  • (その解決策は賛否両論の意見がある)
  • We need to deal with the case carefully.
  • (慎重に対応する必要がある。)

要はこういったもの。テーマは必ず議論を呼ぶものである。何らか問題があり、教育で解決すると言う方針だが、色々な立場の人がいて賛否両論だから、それは慎重に対応されなければならない。

これは私が本当に実行した戦略の一つだ。テーマは予想がつく、ストーリーと英語の言い回しをできるだけ作成し、それを覚えて試験に臨むのだ。

面接官がイェースとかうなづいているともうこちらのもの。何もわかっていなくても議論できる可能性すら見た。

あとはもう、わかっている感を出して勝負するしかない時もある。「理解しているかのようにうなずき、抽象的なことを堂々と発言してしまえ」と言うことだ。

当然良く分からなければ聞き返すことをまず考えなければならない。さらにこれも当然であるが、聞き返しの言い回しも複数用意しておく。ただし、聞いても分からなさそうなものはブラフで勝負することも考える必要がある。

とにかく黙っているのは最悪の選択だ。ちょっとでも相手の言っていることに、かすりさえしていれば助け舟が来ることもある。私にも何度かあった。何とかしようとする姿勢は絶対に捨ててはいけない。

近頃ちょっと話題になった、「それはセクシーに解決されなければならない」的な回答でも良い。いや、大して良いとは思わないが、それでも沈黙より余程良い。

「それはどういう意味なんだ」との質問を引き出せることを事前に想定した上で、用意した回答が使えれば最高だ。普遍的で誰も否定のできない回答を発信してしまえ。自分が用意しておいた回答でどうにかなるような質問を出させようと考えるのは、それもまた良い戦略だ。

とにかく面接の場で話す内容は物凄く限られているのだ。大部分は事前に想定できるレベルのやりとりなのだ。用意しなければならない英語の表現は決して膨大ではない。そこをよく考えて試験に臨むことが重要だ。

奇跡は準備をした人にしか起こらない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次の記事

海外に連休明けの連絡